臨電の車輌紹介
臨電の旧性能車についてご紹介します

デハ10+デハ11
創業当時から活躍する古風な電車です。どことなく大正のような雰囲気を持っています。狭い窓と切妻の正面がポイントです。琴電1000形のようなところがあります。

琴電生え抜きの1000形や小田急のモハ1形のようなスタイルです。創刊から10号ぐらい経ったRailMagazine誌で取りあげられていた地方私鉄タイプの車輌2輌のうち,ひとつがこのタイプだったと思います。思えばこれとTMS誌のDD13を動力にした地方私鉄風模型が,私を地方私鉄へと引きずり込んだ直接の原因だと思います。模型化に際してはプラ板からフルスクラッチするかスハ44などから切り継ごうかと思っています。


デハ13
デハ10などに似た狭い窓ですが,ノーシルノーヘッダーに改造され,戸袋窓のHゴム化やドアの大型化が行われたため,窓の配置が変則的です。無理な改造のせいで荷電のようになっています。琴電の67形に似ています。

模型を作っている人なら誰しも「ひとめぼれ」して作品を作ってしまうことがあると思います。私にとって琴電の67形がそれでした。写真を見たときには,「うわ,これは荷電か,乗ってみたい〜」と感激し,次の瞬間,「これもスハ44などを切り継げば作れそう」と思い立ちました。変則的な配置といい,のっぺりとした屋根といい,なんともいい形をしています。


デハ15
お隣の鶴見臨港鉄道にも見られたタイプです。デハ10の増備型などともいわれています。窓の形が二段になったため,より田舎電車のような形をしています。おもに朝夕ラッシュ時に見られるようです。

鶴見臨港鉄道の同系車の図面が複数あるため,考えてみた車輌です。フルスクラッチではこれぐらいの車輌がいちばん作りやすいのではないかと思います。


デハ18
日本自動車製の小型車で,臨電一の小さな電車です。おもに朝夕ラッシュの増結車輌として使われています。

上田交通にいて銚子電鉄へ移った同系車輌が有名です。ほかにも各地方私鉄に居たようですが,なんでも電装品の不良が多くてクハ化されたものが多いとか。これも結構切り接ぎから作る方法が紹介されていたり,一時はキットにもなっているので,意外と作りやすい車輌だと思います。


デハ30〜デハ39,クハ21,クハ22
最多形式となるグループで,実に12輌も仲間がいます。それぞれ1車輌ごとに特徴があり,細かい点を見ていくとまったく同じという車輌はありません。製造当時の面影をもっとも残しているのがデハ30〜33の4輌です。朝夕ラッシュ時にはこれらが揃い,パンタ4連をあげて釣り掛けモーターを轟かせて快走します。

地方私鉄ではだいたい1系式=1輌で,それがわらわらと集まってデコボコ編成を作っているのですが,模型だとたまには編成美というものを楽しみたくなります。それでもやはり細部は変わっているものが楽しい,ということでこのような形にしました。モデルとしては私鉄車輌プロファイルに載っていた南海の15m車を基本として,窓配置は琴電の70形にしています。模型化は東急3700系のキットを利用していかにして東急臭さを消すか,といったところが焦点かと思います。切り接ぎだけではしんどいので,たぶん側面などはレジンなどでコピーする方法をとる予定です。


デハ38
デハ30グループのなかでもっとも変わっているのがデハ38です。VVVF試験のため台車が換装され,窓下には四角くて近代的な高輝度LEDヘッドライトが付けられています。シルヘッダーがある車輌なのに付属品だけが近代化していてなんともちぐはぐな車輌です。

デハ38のモデルは京成のVVVF試験車です。実物と偶然出会ったときの衝撃的な「へんてこさ」はとても興味を引かれました。上野方面に行こうとすると意外とよく当たる車輌なので,よくモーター音を楽しんでいます。


デハ50,クハ51
いわゆる関東型を模した3扉車です。正面運転席にある窓上部には通風器があり,よいアクセントになっています。

これは実物をモデルにした……というよりも,以前模型で作ったものをさらにリファインして考えてみました。そう思っていたら鶴見臨港鉄道に同じような車輌が現実にあったりで,困ったものです。


デハ55
省線電車という言葉がぴったりするような車輌です。デハ50の増備車ですが,張り上げ屋根化が行われています。

元となったのは相模鉄道のモハ3000形3004になります。ほかにも東急で似たような車輌があったので,張り上げ車輌への移行期にはよく見られたタイプのようです。旧型車の張り上げ車輌はさほど好きではないのですが,こういう形のものは作りやすいし,好みです。


デハ60,クハ61
ある大手私鉄の優等列車として計画されていた車輌だといわれています。戦時中に計画されたため,資材不足から製作がストップしていたものを譲り受け,臨電の工場で作られたものです。前面2枚窓で流線型をした優雅な車輌です。おもに昼間を中心に活躍していますが,ラッシュ時には,ほかの車輌を併結して4輌編成で走っています。

これもひとめぼれの車輌です。2枚窓で流線型の車輌を作ろうと思い立ちました。本来戦前によくあった流線型の車輌は上からみると円筒を半分にしたようなものが多く作られています。これをそのままで作るとなんともありきたりになってしまい,あまりおもしろくありません。このタイプは江ノ電や南海の無蓋荷電のように角だけがカーブしたものにしようかと思っています。


デハ80,デハ82,クハ81,クハ83
京浜急行といい,お隣の鶴見臨海鉄道といい,どうしてこの地方の車輌は片開きの扉を詰めたがるのでしょう? デハ80形は15mという小さな車輌に扉が4つもあります。最近,車体更新を受けたばかりで扉や戸袋窓のHゴム化やヘッドライトの2灯シールドビーム化が行われました。

私は京浜急行の700形がとても好きです。あののっぺりとした顔もいいのですが,ドアが四つ並んだ側面は独特の味があります。現在は冷房化されていますが,非冷房の頃はさぞかし暑かったはずです。このデハ80形ではその印象を加え,車体更新された設定にしてあります。模型化にはモハ73全金の利用を考えていましたが,意外と京阪のキットで片扉なものを切り継いで見るのもいいかもしれません。


車両の紹介へ戻る
トップページへ戻る